先日、子供が通っている保育園の保育参観がありました。
時間が9時~11時の2時間で、実際に子供を見た時間は1時間。
残り1時間で何をしたかというと、小児科医の先生が保育園に来てくれて「幼児の健康管理のポイント」について講演してくれました。

話がはじまる前の私の思いとしては「休日に1時間も拘束されて、難しい話を聞きたくない…」という思いでした。
ところが…内容があまりにも素晴らしく私は医師の方のファンになってしまいました。
また、私以外の周りの親も「よい話が聞けてよかった」と感心していた様子。

何がそんなに人の心を動かしたんだろう、と分析したくなったので、いくつか本を探ってみました。

有名な自己啓発本の「人を動かす(D・カーネギー)」に要因が載っていると私は感じたので、共有したいと思います。

人を動かす

原則1:人の立場に身をおく

皆さんは「部下が思った通りに動いてくれない…」や「取引先に何度もお願いしているのに、なかなか行動してくれない…」なんて感じたことありませんか?
経営者なら、誰もが一度は覚える感覚かと思います。

そんな時、人に動いてもらうために考えるべきことは

「人の立場に身をおく」

ということです。
「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こすことができるか」というのを考えた上で伝えることが必要になります。

小児科医の例で言うと、金沢大学からわざわざ休日に保育園まで来てくれているので、来る目的としては「幼児を持つ親に正しい知識を与えて、病院にかかる以前の段階の、適切な対応をさせること」を目的としています。

一方で、聞く側としては、「早く帰りたい」という気持ちを持っている方も多いアウェイに近い状況です。

そんな中、医師が冒頭に言った言葉は

「ノロウイルスとロタウイルスとか、専門的な病気の区分なんてどうでもいいんです。私はお子さんの重症化を防ぐ、という目的に今日話します。こういう状態の時にどう対処する、と具体的な話をしていきますね。」

という言葉からスタートしました。
専門的な話に興味はありませんが、こう話されると、親としては自分の子供が大事なので、自分事になります。
「人の好むもの(≒子供が健康に育つ)を問題にして、それを手に入れる方法(≒こういう状況なら、どう対処する)を教える」ということをされると、人は動こう、という気持ちになります。

原則2:批判も非難もしない。苦情も言わない

部下がミスをするとつい怒ったり、非難することはありませんか?
たしかに、怒りや恐怖で人をマネジメントする手法はあります。
しかし、本では、「批判するな」と記載しています。

医師の例になると、講演後に、質問タイムがあったのですが、ある親が「子供が、熱性ケイレンで、1年に何度もケイレンを起こします。救急車を呼ぶべき場面と、呼ぶべきでない場面を教えてください。」と質問しました。

回答としては「怖いと思ったら、年に何度でもいいので気にせず救急車を呼んでください。小児科医の親も、自分の子供がケイレンを起こしたら怖くて救急車を呼ぶくらいですよ。」という回答でした。

原則1の、「人の立場に身をおく」と、医療関係者としては、何度も救急車を呼ばれたら面倒なこともあろうに「批判も非難もしない。苦情も言わない」という原則2の両方を満たした、見事な回答だな、と。

質問した親としては、小児科医にこんなことを言ってもらえて、本当に救われたかと思います。
実際にその親は、救急車を呼んだ際に、救急隊員に「ケイレンくらいで何度も救急車を呼ばないでください」と苦情を言われたことがあるそうです。
けど、これをキッカケに、安心して救急車を呼ぶという、本当にプロがオススメする動きができるようになるかと。

原則3:重要感を持たせる

つい部下の足りないところが目について、人を褒める、ということができなかったりしませんか?

医師が印象的だったのは、質問タイムで質問した親に対する最初の一言が「質問ありがとうございます。これは本当に大事なことについて、質問していただきました。」と必ずそこからスタートしていたことです。
3回中3回そうしていたので、テクニックとして、そうしているのかな、という印象を私は持ちました。

質問する親としては50人くらい聴衆がいる中で質問しているので、「こんな質問していいのかな?」と不安の中聞いている方が多いかと。
そのような不安を持って聞いた方を「いい質問してくれてありがとう」と肯定して「あなたは大事だよ」と伝えることから始める。
とてもいいな、と。

「他人の長所を伸ばすのは、褒めること、励ますこと」だと本には書いています。
また、「人間は問題があってそれに心を奪われている時以外は、自分のことばかり考えて暮らしている。
それを他人の長所を考えることに少しあててはどうか」とも書いています。

私もひねくれているので「ありがとう」と言うのは、なかなか恥ずかしいのですが、率直に伝える大事さを学びました。

まとめ

医師の講演から、「人を動かすには」という話をしましたが、いかがでしょうか?
大事なのは、人を変えようとせず、自分が変わろうとすることかと。

社長が変われば社員が変わる→社員が変われば現場が変わる→現場が変わればお客が喜ぶ→お客が変われば業績が上がる

という言葉があります。
人を変えようとする前に私自身も経営者として変われればと思います(^^

この記事を書いた人

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野村 篤史税理士法人のむら会計 代表(公認会計士・税理士)
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし
普通の税理士事務所+αのサービスを提供。

【著書・掲載実績】
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