国としてのコロナ向け大型支援策は「家賃支援給付金」を最後に落ち着いてきたように感じます。
「石川県家賃支援給付金」という名称の、県独自の上乗せ措置も出る予定ですが、今日現在ではまだ詳細は出ていません。
またこちらは詳細が出たらお知らせします。
 
今回は、よくご相談をいただく「コロナ下という有事において、借入を多めにすべきか?それとも少なめにすべきか?」というテーマで記載します。
 

借入の考え方

早速ですが、結論を。
借入
 
「借入は多めに、早めのタイミングで。
返済期間はできるだけ長く、据置期間もできる限り最大で借入を」
 
というのが結論になります。
なぜそのような結論になるか。
会社が終わる瞬間はいつか、ということを考えればみえてきます。
「赤字になった時か?」「債務超過になった時か?」
 
いずれも違います。
会社が終わる瞬間は「現金が枯渇した時」です。
事業継続のためには何としても現金をショートさせてはいけないのです。
 
現金をショートさせない、ないし、現金を増やすためには何をしたらいいでしょうか?
いくつか方法がありますが、難易度が低い順に記載すると
 
①借入で現金を増やす
②補助金、助成金でお金を増やす
③経費を削減する
④売上を増やす
 
という順番になります。
まずは一番難易度の低い「借入で現金を増やす」ということを行って、その後②~④に手をつけていくのが有事においてはセオリーとなります。
 

具体的な借入手法は?

過去の記事でもふれていますが、現在コロナ向けに
 
・日本政策金融公庫の無利子貸付
・民間金融機関の無利子貸付
 
の2つが代表的な借入としてあります。
売上高が前年同期比で20%減少している月があれば、いずれの借入も当初3年間は無利子です。
また、元金返済据置期間も最大5年とれます。
 
返済期間は融資制度によって異なりますが、仮に無利子の3年が終わった後に返済しよう、と思っていても、長めに10年程度の返済期間をとるのがオススメです。
安全のため長めの期間にして、うまく想定通り3年後に返済できそうなら繰上返済をしてしまえばいいのです。
 
さらに、コロナ向け借入について当初は公庫、民間ともに無利子は3000万が限度でしたが、現在は4000万が限度と1000万増えています。
もし、現状で売上回復の見通しが立ちづらいようでしたら、1000万の追加融資を受けることも検討しましょう。
 
ここまで記載しましたが、それでも借入をすることに対して抵抗があるのも理解はできます。
しかし、借入自体の本質的なデメリットはどこにあるのでしょうか?
 
仮に有事に備えて3000万を借入をしたが、本当に必要な時だけに使えるよう別口座に借入額を移したとします。
そのまま手をつけず、3年後に3000万を繰上返済したとする。
すると、今回は無利息融資を適用できれば、繰上返済時の数万円の手数料のみがデメリットとなります。
 
数万円の負担で資金の心配を当面しなくてよい環境を作る。
そんな目的で、今は積極的に借入をする選択もよいのではないでしょうか?
 

借入後、何をすべきか

業種にもよりますが、コロナによる急激な業績ダウンから回復の兆しが見えているケースもあるかと思います。
そんなタイミングで何をすべきか。オススメとしては
 
「借入金を何年かけて、いくらずつ1年で返すかプランを立てる」
 
ということを推奨しています。
経営計画
こう書くと「いくらずつ返すかといわれても、返済期間が決まっているから、その通りに返すでしょ」とおっしゃる方もいます。
それでは、現実問題として、契約で定められた返済期間で、キレイに返すことは過去、できていたのでしょうか?
 
大抵の会社は当初の返済期間通りに返すことは難しく、返済期間の途中で追加借入も行いながら返済をしているかと思います。
つまり契約で定められた返済期間でキレイに返すことができていない状態です。
 
例えば3000万の借入を据置期間なく10年返済で借入したら、1年で300万返済が必要です。
返済は税金を払った後に残った利益からしかできないため、細かい話は抜きにして単純化して逆算すると
 
 
1年の返済額300万÷(1-税率30%)=税引前利益428万
 
 
だけ利益を出す必要があります。
言い方を変えると「いくらずつ1年で返すかプランを立てる=目標利益を立てる」ということになります。
 
それでは、目標利益を実現するためにはどうするか。
それは「目標とする売上・経費の計画を作り、それを実現するためのアクションプランを立てる」という話に繋がっていきます。
 

まとめ

借入の話から、経営計画を立てる、という話をさせていただきました。
経営計画を立てる、というと「将来のことなんて分からないから、計画を立てても仕方がない」と言う意見も聞きます。
 
とはいえ、コロナ下で融資額が膨らんでいる銀行としては「本当に貸したお金が返ってくるのか」ということを、とても心配しています。
そのため、銀行から「お金を返せる根拠資料」として経営計画を求められるケースがあります。
 
さらに、生み出すべき利益、売上が明確でなく、ある意味では目標が定まらず経営するのと、目指すべき目標とアクションプランが決まって経営をするの、どちらが成功率が高いでしょうか?
私は、後者の方が成功率が高いと考えています。
 
弊社では国の補助金も使いながら経営計画策定支援も可能(早期経営改善計画)ですので、もし興味がありましたらお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

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野村 篤史税理士法人のむら会計 代表(公認会計士・税理士)
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし
普通の税理士事務所+αのサービスを提供。

【著書・掲載実績】
図解でざっくり会計シリーズ2 退職給付会計の仕組み(中央経済社)
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