なぜチームを作っても成果が出ないのか

「こんなにいい会社なのに人が辞める」
「いつか誰かが問題解決してくれるだろうと、誰かが現れるのを待っている人ばかり」
「人の入れ替わりが激しく、教えてばかりいる」

こんな悩みはありませんか?
私が経営者と話す中で頻繁に聞く話です。
最近も、1日に3人の経営者から、すべて「人」に関する悩みを聞いた日もあります。

かくいう私も、7年前に税理士事務所を運営するようになってから「人」に関してずっと悩んできました。
それこそ、悩みすぎて「全部投げ出して一人で仕事してやる!」と思ったことも数え切れないくらい。。。

ただ、そこから「これはもしかしたら成長するチャンスかも」と捉え、チームビルディング、コーチング、マネジメント研修、人事研修など、数多くのinputと、自社を中心にoutputを繰り返してきました。

今回はそのエッセンスを記載できればと思います。

なぜ人と人の意見が違うのか?

「社長はなんであの人ばかりひいきするのか」
「あの人の、この行動が気に入らない」
こんな話もよく聞きます。

そもそも、なぜ、人と人の意見が違うのでしょうか?シンプルに言えば

思考と欲求が人によって違う

からです。

例えば私の思考の特性は次のような内容です。

(©FORTINA INC 「効き脳(利き脳)診断」の結果)

「効き脳診断」というツールで分析したものですが、論理性が高く、計画性、友好性もそこそこだが、創造性が著しく低い、というタイプです。

一番数値が高く出ている「論理性」というところでよい面では、問題解決、分析など得意、ということがあります。
一方で、創造性が弱いので、例えば、アイデアがバンバン出てくるタイプの思考に追いつけなかったり、なんでそんなに新しいことが思いつくのか理解できない瞬間があります。

とはいえ、逆にそんな創造性あるタイプは、論理性や計画性が弱いケースがあるので、お互いに相手の強いところと弱いところを理解しようと意識すれば相互補完関係となり、相乗効果が期待できます。

大事なことは、人と人が違うことを理解した上で、強みをお互いに引き出そうとする意識が大事。
逆に「なんで私の言うことが理解できないの?」と自分起点の発想だと、思考が人によって違うため、衝突してうまくいきません。

こんな衝突があらゆる会社で頻発しています。

どうすれば相手のことが理解できるのか?

日本人の特性として「自分が普通考えることは相手も考えるはず」という思考をしやすい。
そこをクリアして「人と人は違う」と思っても「どうすれば相手のことが理解できるのか」という課題があります。
その課題を解決するキーは「対話」です。

具体的には

①相手のおかれている立場、責任、仕事上の関心、大事にしているもの、恐れているものを観察・ヒアリングする。

②相手の立場にたったとシミュレーションして、相手の行動理由、自分の発言が相手にどう聞こえるか想像してみる。

③その上で、自身が相手との新たな関係性を築くための行動をして、うまくいかなければ①~③を繰り返す。

このようなプロセスが必要になります。

正直、すごく時間がかかって大変。
ですが、相手を自分がコントロールできる「モノ」と捉えずに「人と人の関係」を築こうとしたら必要なプロセスです。
手間はかかっても、1人で仕事をするのでなく、チームを作って1人で出せない成果を出そうとしたら、必要なプロセスだと考えています。

なお、「対話」をする上で、役に立つのがコーチングのスキル。
相手の話を聞けないと相手を理解はできないので、質問・聞く姿勢の訓練ができるコーチングは、私にとって不足していた大事なスキルでした。

それでも分かり合えないときは…

例えば、「対話」のプロセスで、1対1の関係ではうまくいくようになった。
ただ、そこをケアしたら、次はその影響で、別の1対1の関係性がうまくいかなくなる、なんてこともしばしば…。
また、頑張ってもなかなか分かり合えない、という場合も当然ある。

そんな時どうしたらよいのでしょうか?
私は「共通のビジョン(=将来像)が描けるか」がキーになる、と考えています。

会社(≒チーム)を運営する上で、経営者として叶えたい将来像があって行動しているはずです。
また、働いている従業員にも叶えたい将来像があって働いている。
会社のビジョンを達成していく中で、従業員のビジョンも満たすことができるか」ということが重要。

会社は、プライベートと違い、気が合って仲がいいから集まっているわけではありません。
それぞれがそれぞれの目的を達成しようと、集まっているのです。
そのため、どうしても分かり合えない時に最後にいきつくのは、「共通のビジョンが描けるか=会社と従業員でビジョンが重なる部分があるか」だと考えています。

会社としてビジョンがあれば、なかなか分かり合えない人とも、一緒に働くチャンスが得られる、と私は考えています。

まとめ

以下のような有名な絵があります。
そもそも、自分の行動を人に理解してもらうのは難しく、分かり合うのも容易ではないかと考えます。

(BusinessDayから引用)

とはいえ、経営者って、そこに向き合うのが必要な仕事かと。
経営を英語でmanageと訳しますが、「何とか○○する」のような意味があります。
「何ともならないものを、何とかする」のが経営者だと考え、自社及びクライアントが、よりよいチームになるサポートができればと考えています。

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この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表(公認会計士・税理士)
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし
普通の税理士事務所+αのサービスを提供。

【著書・掲載実績】
図解でざっくり会計シリーズ2 退職給付会計の仕組み(中央経済社)
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