これだけは知っておきたいマーケティングの基礎

こんにちは。石川県金沢市にある税理士法人のむら会計、公認会計士・税理士の野村です。

長引くコロナ禍の中「どうやって売上を上げるか」が課題の会社が多いかと思います。
そのような課題感を持っていると「マーケティング」という言葉が耳に入ってくるかと。

そもそも「マーケティング」とは何でしょうか?
また、それは売上を上げるのに役に立つものなのでしょうか?

私も税理士事務所を経営する中で、webマーケティングという分野ではそれなりに工夫しております。
基礎的ですが、本質的なマーケティングのポイントについて記載していきます。

マーケティングとは何か?

マーケティングを職業にしている方をマーケターと呼び、USJを再建した森岡毅など、世間でもてはやされているような方もいます。

そもそもマーケティングとは何でしょうか?

類似用語としては「セールス」という言葉もあるので、セールスとの比較をしてみましょう。

「マーケティング」は「見込み客に接するまでの活動」のことです。「セールス」は「見込み客と接してからの活動」です。


具体例を出すと、私の仕事では「見込み客に電話やメールで問い合わせをしてもらうまで=マーケティング」であって「面談に来ていただき、成約に向けて話しをするプロセス=セールス」です。

例えば、年間100件電話やメールで見込み客から問い合わせがあったとしたら、以下のようなプロセスをたどります。

そしてオレンジの部分がマーケティング、青い部分がセールスです。

売上が上がるまでのプロセスを可視化すると、課題が見えてくるかと。

・そもそも年間100件の問い合わせが少ないから上げるべきではないか。
・来店予約が50/100件=50%ということは電話、メール対応に改善するところがないか
・来店予約がされても実際の来店が40/50件=80%ということは、予約から実際の来店までのフォローをすべきではないか
・実際に来店しても成約が10/40件=25%しかないということは、セールストークであったり商品自体に問題がないか。

このように、売上を上げるための様々な仮説がたちます。
「売上を上げる」と一言でいっても、マーケティングとセールスの各プロセスに分解するだけで、これだけのことが見えてくる。

そして、本題に戻り、マーケティングとは何でしょうか?一つの定義として

「マーケティングとは、お客さまに価値を届ける活動」

という定義がしっくりくる定義となります。

先ほどの例の場合、年間100件しか問い合わせがないので、「より多く問い合わせをしてもらうべく、お客さまに価値を届ける活動」です。

実は年間100件の問い合わせの裏ではwebサイトの場合だと年間閲覧数は1万件あるかもしれません。
現状、1%の人に価値が届いて100件問い合わせしてもらっている。

これを、2万件の閲覧数にして1%の200件問い合わせしてもらったり、1万件のままでも、2%の人に価値が届いて200件問い合わせしてもらうことがマーケティングです。

マーケティングをするにあたって、何を意識したらよいかが次の話。

ポイント①:価値とは、お客さまが価値があると思うもの

人はなぜ、あなたの商品を買うのでしょうか?
答えとしては

・プラス、楽しい、快感が増える
・マイナス、辛い、不快が減る

いずれかの要素があるから、あなたの商品を購入します。

マーケティング活動をする上での落とし穴として「自社商品の特徴」ばかりを伝えてしまって「それを買うことでお客さまにどんな価値があるのか」が十分伝えきれていないケースが多々あります。

そもそも、あなたが売っている商品は、プラスを増やすものでしょうか?
マイナスを減らすものでしょうか?

それによって、伝え方が全く変わってきます。

また、お客さまは「商品の特徴」を知りたいのでなく「自分にとってどんな価値がもたらされるのか」が知りたいのです。

意識した伝え方をするだけで、先ほどの例でいうと、同じ閲覧数が1万件でも、問い合わせ率を1%→2%にあげ、200件の問い合わせをしてもらうことが可能となります。

ポイント②:売り込まず、必要な人に必要なものを届ける仕組みを作る

「なんだか売り込むのって後ろめたい」と思うことも時にはないでしょうか?

経営者の方はそう思うことは少ないかもしれませんが、一緒に働いている従業員に売上を作ってもらおうとすると、心理的にブロックがかかっていることがあります。

まず売上を上げる行為を「必要な人に必要なものを届ける」というように捉えてもらいましょう。

自社を見つけてくれた人にとって、自社のサービスで価値を感じてもらえる商品があったら買ってくれればいいのです。

ただし、しっかりと価値を伝えましょう。

「言わなくてもわかるでしょ」なんてことは夫婦でもほとんど成立しません。

また、必ずしも「いいものを作っていれば誰かが見つけてくれる」とはならないので、価値を届ける仕組みを作りましょう。

自社の価値を伝えるルートとして

①既存客から
②イベント・セミナーから
③パートナーから
④webやDMなどの媒体から

など様々なルートがあります。

自分の強みにあった、価値を届ける仕組みを作りましょう。

まとめ

マーケティングの基礎を記載しましたが、いかがでしょうか?
中小企業はまずはマーケティング・セールスが大事で、それが整う前にマネジメントに注力しすぎるのは危険です。
マーケティングは売上に直結するので、少しでも参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし「関わる人の納得いく決断と安心を誠実にサポートする」ことをミッションに活動している。

【主な保有資格】
公認会計士 登録番号26966 
税理士 登録番号125179 

【著書・掲載実績】
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