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「頑張って黒字を出したのに会社のお金が減っている。。。」
こんな経験はありませんか?
会社の成績を区分する一般的方法として

・赤字
・黒字

の2つがあります。
しかし、それだけだとお金が増えない理由がわかりません。
今回は会社の収支構造を6つのレベルに区別して検討していきます。

【レベル1:存続ピンチ会社】

売上より仕入・経費が大きい状態。
この場合は決算書上も赤字になっています。
赤字であればお金が減るのは理解しやすいかと。

レベル1

(「超☆ドンブリ経営のすすめ」和仁達也著を参考に加工)

なお、中小企業の場合
役員報酬をどれだけ取るかによって赤字、黒字が簡単に逆転します。

「会社で税金を払うのが勿体ない」と毎年赤字にするのはオススメしません。
なぜなら、本当に苦しい時、銀行融資を引き出そうと思っても
決算書がキレイでないと条件のいい融資が受けられないからです。

最近は法人税率が低くなり
役員報酬より税率が低いケースも多いので
多少でも黒字になるような役員報酬を設定しましょう。

【レベル2:銀行依存会社】

売上と仕入・経費が等しい状態。
この場合は決算書上の利益はゼロです。

レベル2

この時、お金も増減ゼロとなるでしょうか?
大半の中小企業はお金が減ります。

なぜなら、借入金の返済があるからです。
勘違いされる社長も多いのですが
借入金の元金の返済は経費になりません。

そのため、この状態だと新規の融資をうけない場合は
年間返済額分はお金が減っていきます。

【レベル3:やや銀行依存会社】

売上が仕入・経費より大きい状態。
この場合は決算書は黒字となります。

レベル3

しかし、上の図のように「利益<返済額」の場合だと
その差額分だけお金が減ります。

この状態が冒頭にあった
「頑張って黒字を出したのに、会社のお金が減っている。」
という状態です。

お金が減っていく状態ですので
また銀行から借り、そして返す
という流れになります。

黒字ではありますが
返済まで含めると十分な黒字ではない
という状態です。

【レベル4:自立会社】

売上が仕入・経費より大きく、利益が出ていて
その利益と年間返済額が等しい状態です。

レベル4

この状態でようやく
1年間でのお金の増減がゼロになります。

ここまでくれば
お金は増えなくても借金がどんどん減っていくので
借金完済後は経営はすごく楽になります。

【レベル5:優良健康会社】

売上が仕入・経費より大きく、利益が出ていて
さらに、その利益が年間返済額を上回る状態です。

レベル5
この場合は
「借金を返済しながら、お金も増えていく」
という状態ですので
社長としてすごく精神的に楽になります。

厳しい言葉ですが
「社長が資金繰りに走り回る時間の生産性はゼロ」
ですので
なるべく資金繰りに頭を悩ませなくていいよう
この状態を目指しましょう。

【レベル6:超優良健康会社】

売上が仕入・経費より大きく、利益が出ていて
借金がない状態です。

レベル6
この形、実現するのはなかなか難しいのですが
感覚的には3%くらいの会社は実現しています。

約3割が黒字企業、と言われるので
黒字の中の上位1割というイメージです。

しかし、製造業など設備投資がどうしても必要な業種だと
無借金は現実的ではありません。

その場合は実質無借金、を目指してください。
「現金預金残高>借金残高」の状態で
いつでも返済したい時に返済できる状態を
実質無借金といいます。

【まとめ】

収支構造6レベル、自社はどのレベルでしたか?
年間返済額については
意識しないと把握できないものですが、重要な要素ですので
ぜひ把握ください。

お金が増えない要因が分析できるようになります。

なお、今回の記事では紙面の関係及び
正確性より分かりやすさを重視したため省略しましたが
図の情報の他に

・税金
・減価償却額
・設備投資額

の3つがあれば「お金が減らないための必要利益額」を算出できます。

予算作成時に「必要利益額」を算出し
逆算して経費・仕入・粗利率・売上を決めていく
本当に意味のある予算作成が可能になります。

この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表(公認会計士・税理士)
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし
普通の税理士事務所+αのサービスを提供。

【著書・掲載実績】
図解でざっくり会計シリーズ2 退職給付会計の仕組み(中央経済社)
賢い節税で会社を強くする方法教えます(月刊経理ウーマン 特集ページ) 
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