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「湯快リゾート」のことはご存じですか?
1泊2食付7,500円からと格安で泊まれる温泉旅館のグループです。

乗り物好きな子供2人を黒部峡谷トロッコ電車に乗せてあげるため
先日、黒部に行った際に利用しました。

湯快リゾート

ブルーオーシャン戦略って?

競争が激しい既存の市場を
「レッドオーシャン(血で血を争い、赤くなった海)」とし
競争がない未開の市場を
「ブルーオーシャン(血が流れていなく、青いままの海)」と表します。

企業はブルーオーシャンを切り拓くことで利益を獲得できる
というのがこの戦略。

どうすればブルーオーシャンを切り拓ける?

「バリューイノベーション」
を起こせばブルーオーシャンを切り拓けます。

用語を覚える必要はないですが
意味としては
「コストを下げつつ、買い手にとっての価値を高める」
ということだけ把握ください。

value inovation

                                         (引用:ジャイロ総合コンサルティング)

湯快リゾートに置き換えると
7,500円というとビジネスホテル並の値段で「コストが低い」。

一方で、温泉があり
バイキングで2食もついて
「買い手にとっての価値が高い」状態。まさに図の形です。

コストを下げながら、価値を上げるには?

現実的には
「コストを下げながら価値を上げる」
なんてことは簡単にはできません。

普通は
「コストを下げたら、価値も下がる」
「コストを上げたら、価値を上げられる」
という関係性なので。

非常識を実現する方法として
いくつかの考えるための枠組みが
ブルーオーシャン戦略に記載されています。

その一つが「アクション・マトリックス」。

以下のような考え方です。

自分の業界に対して
何かを

「取り除く」
「減らす」
「増やす」
「付け加える」

を行ってみる。

湯快リゾートにあてはめると以下のようなイメージです。

【取り除く】

・客室への誘導
・配膳
・人による精算業務
【増やす】

・バイキングの品目数
・夕食時に写真撮影
・共有スペースの豪華さ
【減らす】

・初期設備投資
・提供する料理のレパートリー
・オーダーメイドのサービス
【付け加える】

・漫画喫茶のような空間
・キッズスペース(食事会場にも)
・飲み物持ち帰りサービス

取り除く

低コストを実現するためには
人手がかかるサービスは
できるだけ排除しなければなりません。

そのため
ある程度の価格帯の旅館にあるような
「客室への誘導」はなし。

「配膳」も
バイキングを採用しているため必要ありません。

「精算業務」も
人がやらず機械で精算する形にしていました。

減らす

湯快リゾートは
破綻になった温泉旅館を安く買い取るため
「初期投資」が低い形で事業をはじめています。

ここが低コストを実現できる大きな要因。

また、2泊宿泊しましたが
1日目、2日目でバイキングの「レパートリー(出てくる料理)」がほぼ変わらない。

大量仕入れで安く調達ができる上
同じ料理を毎回作るのであれば厨房も楽。

「子供はどうしてもパスタしか食べないから」など
普通の旅館で言われたら
厨房とコミュニケーションをとって処理しなければいけないところ
100品目を超えるバイキングでカバーするため
「オーダーメイドのサービス」も減らせます。

付け加える

通常の旅館にはない
「漫画スペース」があります。
漫画喫茶に行くより快適。

イオンなどにある
1時間500円くらいとられるような
「キッズスペース」もありました。

食事会場の横にも小さなキッズスペースがあって
大人は子供の様子を見ながら食事をとることができる。

また、細かいところですが
食事会場から出る際に
ドリンクバーの「ドリンクを部屋に持ち帰れる」サービスも
手軽に満足度を上げるいいアイデアです。

増やす

バイキングの内容は
ほぼ毎日同じですが「品目が多い」。
寿司・ピザ・パスタ・ラーメンなどなんでもある。

倒産した旅館を買い取った後
大規模改修しているため
ロビーや大浴場など「共有スペースに豪華さ」を
価格帯の割には感じました。

最後に一番関心したのが
「夕食時の写真撮影」サービス。
食事会場のスタッフが全てのテーブルを回り
客が持っているスマホで家族写真を撮ってくれます。

人手がかからないようオペレーションを整備している中
ここだけには手をかけている。
30秒くらいのサービスですが、客の心を掴みますね。

まとめ

ブルーオーシャン戦略に基づく分析
いかがでしたか?

皆様の事業でも新しいサービスを検討する際に
考え方の参考にしてください。

ブルーオーシャン戦略は、「ブルーオーシャン」を開拓した後に
他企業に模倣されると優位性が揺らぐ、という弱点もあります。

湯快リゾートでいうと
大江戸温泉グループなどが同じような戦略で行っている競合他社ですね。

一方で、独占的な立場を維持することは難しくても
「レッドオーシャン」よりはいい市場であることが多いので
ブルーオーシャン戦略をとることにメリットはあります。

この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表(公認会計士・税理士)
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし
普通の税理士事務所+αのサービスを提供。

【著書・掲載実績】
図解でざっくり会計シリーズ2 退職給付会計の仕組み(中央経済社)
賢い節税で会社を強くする方法教えます(月刊経理ウーマン 特集ページ) 
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