令和4年分確定申告もコロナでの期限延長あり!/申請書の書き方と注意点

こんにちは。石川県金沢市にある税理士法人のむら会計、公認会計士・税理士の野村です。
今回は2023年の確定申告も、コロナの影響で申告期限の延長が可能、という内容を解説いたします。

この動画で分かることとして、まず2023年3月15日を申告期限とする確定申告で、どうすればコロナを理由として申告期限延長ができるかが分かります。
さらに、期限延長のために作るべき書類について、具体的な書き方と作る際の注意点についても分かります。

コロナ延長する方法

まず、コロナ延長、コロナによる申告期限延長する方法についてですが、去年、2022年3月15日を期日とする確定申告においては、確定申告書を提出する際に、申告書の右上に“新型コロナウィルスによる申告・納付期限延長申請”と書くだけでOKでした。

去年のコロナ延長

申告書を提出する時に、簡単に一言入れるだけで、もう事前の申請とか要らなくて、申告期限延長ができました。これが去年までの状況です。

それが、今年どうなるか?

今年についてですが、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」という書類を税務署に申請、提出して、承認を受けることによって期限延長が認められます。
去年と比べて手間が増えるというのが結論となります。

なお、形としては、承認を得る必要ですが、実際には現場の実務として、申告書の提出と同時に、延長申請書、こちらを提出していて、事後的に承認を受けているケースが多いです。
つまり、事前申請は不要ですが、しっかりとした申請書に理由を書いて、提出する必要が出る。
それが去年と今年の違いとなります。

具体的な書き方

それでは、具体的な書き方なんですが、こちら、実際の書き方の記載例を見ていきましょう。

R4コロナ延長

こちら、具体的な書き方の記載例となります。

税務署は、実際に提出する税務署を記載。
そして、日付は提出日。
申請者の住所・電話番号・氏名を書きます。
ここまでは誰でも行けるかと思います。

期間に関して“自 令和5年1月1日”とありますが、このまま記載。
“至”の部分ですが、こちらは“災害がやんだ日”を記載。
“災害がやんだ”が何かというと、“申告書等と同時に申請書を提出する場合は申告書等の提出日”を記載しましょう。

そして、申告内容として、まず所得税。
“所得税及び復興特別所得税の申告納付期限”は、通常の納付期限が令和5年3月15日を書きます。
また、消費税、こちらも確定申告で申告する必要があったら、令和5年3月31日と書く。
さらに、あまりケースは少ないと思うんですが、贈与税。
贈与税も申告する必要があったら、令和5年3月15日と書きます。

そして、申請期限の箇所ですが、申告書と同時に申請書を提出する場合は、申告書の提出日を記載して下さい。
“申請書のみを提出する場合は、期限延長の指定を受けようとする日を記載して下さい”とありますが、事前に提出することはそこまで多くないので、申告書を提出する日、そちらの日付を記載しましょう。

そして最後に“被災状況”の欄です。
こちら、例えば、“令和5年3月14日に新型コロナに感染し、療養していたため、令和5年3月15日の期限までに申告・納付を行うことができなかった”と具体的な内容を書きます。
コロナの影響で申告・納付が期限までに間に合わなかったという理由を書く形になります。

こちら、注意書きもありますが、コロナの影響で期限内に申告できなかったという内容を書いていただければと思います。
そうは言っても、どんな理由で認められるかという具体例があったほうがいいと思いますので、そちらについて解説いたします。

コロナによる申告期限延長が認められる具体例ですが、まず、当然、自分自身がコロナになった。
こちらは認められます。
さらに、例えば濃厚接触者となって、外出を自粛してました。
そんな理由で申告できませんでしたというのも認められます。
さらに、会社でコロナが流行ってしまった。
その結果、業務が困難な状況だったので、申告期限延長します。
そんな理由も考えられます。

また、他者の影響としては、税理士事務所、申告を依頼している税理士事務所でコロナが流行ってしまった。
そのために申告・納付ができなかった。
こんな理由も認められるのではないかと考えております。

税金の払い方ですが、振替納税と言って、口座引落する場合は、後日、税務署から連絡があります。
ただし、原則として、申告書を提出した日というのに税金を払わなきゃいけないという形になるので注意しましょう。
申告書を提出する日に税金を払うのを忘れずに、という形です。

申告書の提出と「災害による申告、納付等の期限延長申請書」そちらを税務署に提出していただいて、さらに税金の払いもしていただく。
それがセットとなっておりますので、ぜひ忘れないようにしていただければと思います。

まとめ

令和5年3月15日を申告期限とする確定申告でも、申告期限の延長自体は使うことはできます。
それが最初の結論です。

ただし、去年までと違って、延長申請の書類。
やはり見ていただいても書くのが面倒だったかなと思います。
そのため、できる限り、3月15日までに確定申告書を作成して、提出までしてしまうのがオススメかと考えております。

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この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし「関わる人の納得いく決断と安心を誠実にサポートする」ことをミッションに活動している。

【主な保有資格】
公認会計士 登録番号26966 
税理士 登録番号125179 

【著書・掲載実績】
図解でざっくり会計シリーズ2 退職給付会計の仕組み(中央経済社)
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