知っておきたい石川県の低金利融資 ~小規模事業者なら最大2,000万円・年1.55%の固定金利~

石川県金沢市にある税理士法人のむら会計、公認会計士・税理士の野村です。

最近、「金利が上がった」というニュースを目にすることが増えてきました。

少し前までの日本は、非常に金利が低い状態が長く続いていました。しかし、現在は状況が変わり、銀行からお金を借りるときの金利も少しずつ上がってきています。

そんな中、石川県では現在、条件を満たす小規模事業者を対象に、最大2,000万円を年1.55%の固定金利で借りられる制度があります。今回は、この制度についてできるだけ簡単にご紹介します。

会社の規模によって使う制度が分かれます

今回の制度には、大きく分けて2つの枠があります。

従業員が20人超(宿泊業・娯楽業を除く商業・サービス業は5人超)の中小企業者等は「中東情勢対応緊急特別融資」。従業員数がそれ以下の小規模事業者に該当する会社は「小口零細融資(中東情勢対応分)」が利用できます。

中東情勢対応融資制度比較表

ここで一番注目していただきたいのが、「年1.55%の固定金利」というところです。固定金利なので、借りた後に世の中の金利が上がったとしても、今回借りた分については基本的に1.55%のままです。

なぜ今、この制度に注目するのか?

理由は、日本の金利が上がってきているからです。

現在、国が10年間お金を借りるときの金利の目安となる「10年国債」の利回りも3%近い水準になっています。難しい話は抜きにすると、「世の中全体で、お金を借りるための金利が以前より高くなっている」と考えてください。

そのような状況の中で、1.55%の固定金利で最長7年間借りられる今回の制度は、かなり低い金利水準といえます。

例えば2,000万円を借りた場合、金利が1.55%なら、借入直後の1年間の利息は単純計算で約31万円です。仮に金利が3%なら約60万円です。単純計算では、年間で約29万円の違いになります。

実際には毎月返済して借入残高が減っていくため、この計算どおりではありませんが、借入金額が大きく、返済期間が長いほど、金利の違いは無視できなくなります。

「お金に困っていないから関係ない」とは限りません

「うちは資金繰りに困っていないから、借入は必要ない」と思われる方もいらっしゃると思います。もちろん、必要のない借金を無理に増やす必要はありません。

ただ、会社の借入には、「お金がなくなったから借りる」という考え方だけではなく、「条件の良いときにお金を借りて、会社の預金を多めに残しておく」という考え方もあります。

会社を経営していると、給与、仕入代金、外注費、家賃、社会保険料、電気代など、毎月さまざまな支払いがあります。これらをすべて会社の預金から支払えば、当然、預金は減っていきます。

一方、事業に必要なお金の一部を低い金利の借入でまかなえば、会社の預金を手元に残すことができます。急に大きな支払いが発生したり、売上が落ちたり、設備投資が必要になったりしたとき、手元に十分なお金があることは会社にとって大きな安心材料になります。

そのため、「お金が足りなくなってから借りる」のではなく、「会社に余裕があり、条件の良いときに借りておく」という方法もあります。

売上が3%下がっていなくても対象になる可能性があります

今回の制度は「中東情勢対応」という名前なので、「中東と取引していないから関係ない」と思われるかもしれません。

また、「売上が下がっていないから使えない」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、必ずしもそうとは限りません。

制度には、売上高などが前年同月より3%以上下がっているという基準がありますが、それだけではありません。「中東情勢の影響によって資金繰りに影響が出ている、または今後影響が出る可能性がある場合」にも、対象になる可能性があります。

例えば、原油価格の上昇から、

・ガソリン代が上がった
・運送費が上がった
・原材料価格が上がった
・仕入価格が上がった
・電気代などの負担が増えた

といった影響を受けている会社も考えられます。そのため、「売上が3%下がっていないから対象外」と自分で判断せず、一度金融機関に確認してみることをおすすめします。

注意点もあります

もちろん、金利が安いからといって、必ず借りた方がよいわけではありません。今回の制度では、銀行へ支払う1.55%の利息とは別に、信用保証協会へ支払う「信用保証料」が必要になります。

保証料は会社の状況などによって異なります。また、借りたお金は当然返済しなければなりません。さらに、この制度は事業に必要な「運転資金」のための融資です。1.55%で借りて、そのお金を株や国債などで運用して利益を出すための制度ではありません。

あくまで、今後必要となる仕入、人件費、外注費、その他の事業上の支払いに使うための制度と考えてください。

まとめ

今回の制度について、当事務所では、

「条件に当てはまりそうで、今後も運転資金が必要になる会社であれば、一度検討してみる価値がある制度」

と考えています。

特に現在は、世の中の金利が以前より上昇しています。今後さらに金利が上がるか、逆に下がるかを正確に予想することはできません。

しかし、現在の時点で年1.55%の固定金利で最長7年間の資金を確保できるという条件には、十分な魅力があります。

制度が使えるかどうかは、それぞれの会社の状況によって異なります。

「自社も対象になるのかな?」

と思われた場合は、まずは普段お付き合いのある銀行や信用金庫などに、

「石川県の中東情勢対応の2,000万円の制度融資は使えますか?」

と聞いてみてください。

売上が3%下がっていなくても対象になる可能性がありますので、最初から対象外と判断せず、金融機関に相談してみるのがよいでしょう。

金利が上昇している今だからこそ、会社のお金をどう確保しておくかを考える一つのきっかけとして、この制度を知っておいていただければと思います。

中東情勢対策融資に興味がございましたら、石川県金沢市にある当税理士法人にご相談ください。

この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表
金沢で60年以上続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし「関わる人の納得いく決断と安心を誠実にサポートする」ことをミッションに活動している。

【主な保有資格】
公認会計士 登録番号26966 
税理士 登録番号125179 

【著書・掲載実績・監修】
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