確定申告しなくてよいケース/した方がお得なケース

石川県金沢市にある税理士法人のむら会計、公認会計士・税理士の野村です。

確定申告をしなければいけないのか、それとも確定申告したほうが得か。
また、必ず確定申告しなければいけないか。なかなか悩んでる方が多いかと思います。
今回はそんな方に向けて、動画を作りました。

この記事で分かることとして、そもそも確定申告というのが何か、が分かります。
次に、確定申告が必要な場合に、仮にしないとしたら、どういうことが起こってしまうかが分かります。
最後に、自営業だったり、不動産オーナー、会社員、年金生活者など、ケース分けして確定申告しなくてよい場合と、したほうがお得な場合が分かるような内容となっております。

そもそも確定申告とは?

確定申告とは、1年間の収入と経費をご自身で、自分で集計して払うべき税金を算出することを言います。
実際にどういうことをやればいいかという話なんですが、確定申告書という国税庁がフォームを出している書類ををご自身で作成し、それを税務署に提出して、金融機関やインターネットバンキングで税金を払って完了、という話になります。

確定申告書は、e-Taxでも作れますし、紙でも作れますが、通常はe-Taxを使ったほうが簡単かと思います。

確定申告しなければいけないのにしなかった場合にどうなる?

確定申告しなければいけないのに、しなかった場合、どうなるかという話ですが、確定申告しない結果、税務調査が入ってしまった場合には、通常払うべき税金に追加してペナルティがかかってしまいます。

具体的に言うと、無申告加算税であったり、重加算税がかかってくるのですが、こちら、結構な金額がかかってしまうので、税務調査が入るような状況になることはおすすめしません。
そのため、確定申告の義務がある場合は、ちゃんと確定申告したほうがいいです。
そこも含めて、今回の動画、ご確認いただければと思います。

次に、本来、確定申告すべき期日に遅れて申告してしまった場合、どうなるかですが、遅れた分の利息相当など、こちらもやはりペナルティが余分にかかってしまいます。
通常、3月15日が確定申告の期日になっておりますので、遅れないように確定申告書を提出しましょう。

【ケース別】どうする?確定申告

ケース分けして、確定申告しなければいけない場合、また、しなくていい場合、さらにしたほうがお得な場合について、説明します。

個人事業主・フリーランス・不動産オーナー

確定申告が必要

確定申告が必要な場合、どういったケースかというと、基本的にはこういった方々は確定申告が必要だと思っていただければ、と思います。

確定申告が不要

逆に、どういった場合が不要かを把握していただければいいんですが、所得が48万円以下の場合でしたら、仮に確定申告しても、税金がゼロになるから、そのために確定申告は不要という話になります。

確定申告した方がよい

最後に、こういった場合は確定申告したほうがよい、という場合もあります。

収入から経費を差し引いて、赤字だった場合、今年の赤字を翌年以降の黒字と相殺できます。
よって、確定申告はしなくてもいいんですが、したほうがよいので、ぜひ確定申告して、翌年の税金を減らしましょう。

会社員・アルバイト・パート

確定申告が必要

確定申告が必要という場合は限られています。

年収が2000万円を超えるような場合。
副業の所得が年間20万円を超える場合。
最後に、2箇所以上、つまり2社以上の会社に勤めていて、給料をもらっている場合は確定申告が必要となります。

確定申告が不要

会社で年末調整を受けていて、他の収入がない場合には、確定申告が不要となります。
こういった方が会社員の方だと大半かと思います。

また、副業を仮にやっていたとしても、所得が20万円未満、この場合でしたら、確定申告が不要です。
ただし、注意いただきたいのが、確定申告が不要でも、住民税の申告は必要ということにご注意いただければと思います。

確定申告した方がよい場合

どんな場合に確定申告したらよいかですが1つ目が住宅ローン減税で1年目の場合です。
1年目は確定申告しないと住宅ローン減税が受けれません。ですから、確定申告しましょう。

2つ目が医療費控除。
こちら、年末調整で医療費控除というのが受けられません。
医療費がその年でたくさんかかっていましたら、医療費控除を受けるために、確定申告しましょう。

3つ目ですが、ふるさと納税でワンストップ特例を使っていない場合。
こちら、確定申告したほうが得です。
ワンストップ特例という特例をふるさと納税する際に申請している場合のみ、確定申告しなくても節税ができています。
そのため、ワンストップ特例使っていない場合は確定申告をして節税しましょう。

次に4つ目です。
年末調整されておらず、かつ源泉徴収、給与から税金が天引きされているアルバイトの方。
この方は税金が確定申告すると戻ってきますので、ぜひ確定申告しましょう。

5つ目です。
年の途中で退職した場合、この場合は税金が確定申告すると、やっぱり戻ってきます。
このケースでは、確定申告をしましょう。

最後、6つ目です。
6つ目として、年末調整で生命保険料控除であったり、地震保険料控除、またiDeCoなど、そういったものの控除、入れ忘れた場合。
確定申告すれば、その分、反映できますので、忘れた分を反映するために、確定申告する、というのも良い方法かと思います。

年金生活者

確定申告が必要

確定申告が必要なケースとしては、年金の収入の合計が400万超の場合は確定申告が必要となります。
例えば、2つの先から年金を受け取っていて、1つが300万円、1つが200万円、こういったケースでは、合計500万円で、400万を超えますので、確定申告が必要という話になります。

また、年金以外にも所得がある方、そしてその所得が20万円を超える場合は確定申告がどうしても必要となってしまいます。

確定申告が不要

一方で、確定申告が不要な場合は、どういったケースかというと、年金以外の所得が20万円以下の場合でしたら、確定申告が不要となります。
ただし、年金以外の所得が20万以下であって、確定申告が不要であったとしても、住民税の申告は必要ですので、こちら注意しましょう。

株式のトレーダー

確定申告が必要

確定申告が必要なケースは、一般口座、こちらで取引をしていて、売却益が20万円を超えている場合は確定申告が必要となります。

確定申告が不要

確定申告が不要な場合は、どういった場合かというと、特定口座で株式の運用をしていて、なおかつ、源泉徴収ありという形で、口座開設時などに選択していると、もうすでに税金が天引きされていますので、確定申告が不要となります。

また、株式の運用をしていて、なおかつ会社員でもある場合、株の利益が20万円以下でしたら、確定申告不要です。
ただし、先ほどから触れている通り、住民税の申告が必要なことには注意しましょう。

最後に、株式の運用だけで収入を得ている場合でしたら、株の利益が48万円以下でしたら、確定申告不要となります。
この場合は、税金がかからないから、確定申告が不要という結論になります。

まとめ

まとめとして、状況によって、確定申告しなくてよい条件は異なってきます。
そのため、本当に確定申告しなくてよいか、注意して判断しましょう。

さらに、確定申告しなくてもよい場合でも、したほうが税金が戻ってきて、お得なケースがあります。
そのため、やはりしっかり条件を把握することが大切となります。

今回は「確定しなくてよいケース/した方がお得なケース」を解説しました。
石川県で、確定申告にお悩みの方は、石川県金沢市にある当税理士法人にお声がけください。

 

この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし「関わる人の納得いく決断と安心を誠実にサポートする」ことをミッションに活動している。

【主な保有資格】
公認会計士 登録番号26966 
税理士 登録番号125179 

【著書・掲載実績】
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