契約書作成のチェックポイント

こんにちは。石川県金沢市にある税理士法人のむら会計、公認会計士・税理士の野村です。

独立開業、起業をすると契約書が必要となる場面が出てきます。
契約書は法律を正しく理解していないと意図した結果を生めない可能性があるため
今回はいつもと趣向を変え、提携している法律の専門家に記事を書いてもらいました。

内田法律事務所

内田清隆法律事務所(金沢市大手町7番13号)の上田晃一朗弁護士です。
上田弁護士は年齢が近く、また、士業にありがちな、いわゆる「先生」っぽくない弁護士さんですので
私の日頃の業務でわからない法律問題もちょくちょく相談させてもらっています。

上田弁護士から一言

皆様、はじめまして!内田清隆法律事務所 弁護士の上田晃一朗です。
野村篤史先生とは、大学の先輩後輩の関係であり、公私ともに仲良くさせていただいております。
今日は、弁護士の立場から見て、皆様に、普段の業務において、気を付けていただきたい
「契約書作成のチェックポイント」について、書きたいと思います。

上田弁護士

契約書作成のチェックポイント

顧客や取引先との間で、契約書がなかったため
もしくは、契約書の内容が不十分であったため
トラブルになった経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
普段から「契約書は重要だ!」と耳にするが
理由が良く分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

皆様は、毎日様々な取引や活動を行っていますので
顧客や取引先などからのクレームや事故が、起きる可能性はゼロではありません。

一度、トラブルが発生すると、対応に時間がとられてしまい
本業に支障を来すことも少なくありません。

そればかりか、トラブルが売掛金の不払いであれば、運転資金不足に陥ってしまいます。

そのため

トラブルを生じさせないこと=①「未然防止」
トラブルを早期に解決すること=②「早期解決」

が重要となります。

契約書は、トラブルを①「未然防止」、②「早期解決」する重要なツールになります。

契約書

□ 安易に市販の契約書書式を利用していませんか?

市販の契約書書式には
法律(強行法規)や公序良俗(社会常識)に反するような規定が設けられていることがあります。
また、一方当事者のみが、過大に有利不利に扱われていることもあります。

□ 一方だけに不当な義務を負わせていませんか?

こちらは秘密保持義務を負うのに相手方は負わない。
こちらは契約上の地位を人に譲れないのに相手方は自由に譲れるなど
一方だけに義務を負わせる条項をよく目にします。

このような不公平な規定でよいのか、よく考えることが大切です。

□ 相手方が暴力団のときや破産した場合などに解除できる「解除条項」をきちんと規定していますか?

相手方が反社会的勢力であると判明したとき
相手方が破産したり営業停止したりしたときには
契約を解除できるという「解除条項」を入れるのが通常です。

これを忘れると
相手方が暴力団と分かっても付き合いを続けなければいけなくなったり
破産した会社に契約上の義務を履行しなければいけなくなったりします。
必ず入れましょう。

□ 契約上の地位の「譲渡禁止条項」を入れていますか

契約上の地位は、譲渡できるのが法律の原則です。
しかし、相手方を信用して契約するのに
相手方がその地位を第三者に譲渡してしまい
その第三者が契約を履行するのでは、大きな不安を抱えるのが一般です。

忘れずに契約上の地位を譲渡できないという条項を入れましょう。

□ 不用意に「完全合意条項」を入れていませんか

「本契約は、完全な合意を規定するものであり
従前の一切の合意、了解、意図に優先する。」
といった完全合意条項が入れられることがあります。

これがあると
メールで約束していようと口頭で約束していようと契約書に入っていない約束はすべて無効となります。
自信がなければ、完全合意条項は入れないのが賢明です。

まとめ

皆様方の取引の内容は、様々であり、一つとして同じものはないはずです。
そうすると、取引ごとに、問題が発生する条件、状況、想定される問題の内容、その可能性などが違ってくることは、当然です。

弁護士は、法律のプロフェッショナルとして
皆様から、取引に至った経緯、取引の目的、取引実態など様々な事情をお聞きし
将来の起こりうるトラブルを想定して、取引関係に内在するリスク、法的な問題点をあぶり出し、最適な契約書を作成します。

内田清隆法律事務所では
「のむら会計からの紹介」と言っていただければ
初回の法律相談は無料とさせていただくことになりました。
皆様も、お気軽にご利用ください!

この記事を書いた人

野村 篤史税理士法人のむら会計 代表
金沢で50年続いている会計事務所、税理士法人のむら会計を運営。
ITの知識・金融機関監査の経験を生かし「関わる人の納得いく決断と安心を誠実にサポートする」ことをミッションに活動している。

【主な保有資格】
公認会計士 登録番号26966 
税理士 登録番号125179 

【著書・掲載実績】
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